2012年11月11日(日):第3回 栃木県における外国人のための医療相談会

1. 開催の目的 

 

(1)普段医療機関を受診する機会の少ない国内外の貧困者の結核、成人病などの健康診断を受ける機会を提供する。

 

(2)疾病の早期発見を行い、早期治療につなげる。

 

(3)母国語のレポートによる検診結果報告を行い、本人の健康問題への自覚を促す。

 

 

2. 実施スケージュール  

   
医療相談会    
     
日時 2012年11月11日(日)受付: 11:00-13:00
     
場所

済生会・宇都宮病院

     
住所

宇都宮市竹林町911-1

   

Tel. 028-626-5500

     
受診対象者

地域で暮らす外国人及び貧困で困っている人

   

 

受診費用

無料(レントゲン代、血液検査代、諸経費) ただし50人程度

     
 検査項目 胸部レントゲン、血液検査、子宮頸癌検査(希望者)、検尿、身体測定、血圧、心電図(希望者)
     
連絡先 Tel. 080-5544-7577
    長澤正隆(長澤) 毎日19:00~22:00
    予約も可能です
     
注意事項

検査6時間前は食事を避けてください。

   

時間を守ってください。

    妊娠中および1才以下の方はX線撮影を受けられません。
    X線撮影を受ける方はTシャツを着てください。
    金具のついた服はさけてください。
     
結果説明会
   
日時 2012年12月16日(日)受付: 12:00 - 14:00
     
場所

済生会・宇都宮病院

    連絡先:080-5500-7577
    *こられない方は郵送します。 
     
主催

外国人のための医療相談会、済生会宇都宮病院

   

 

共催

庭野財団、三井物産、赤い羽根、

    カリタスジャパン、フレンズ、
    カトリック群馬使徒職協議会、
    カトリック栃木使徒職協議会、
    NPO栃木タイムズ
     
連絡先 外国人のための医療相談会代表長澤正隆
   

Tel. 080-5544-7577 毎日19:00~22:00

    代表 長澤正隆 080(5544)7577(予約可)

 

 

 

「栃木県における医療相談会」のこれまでの実施結果「第3回栃木県における医療相談会」報告

1997年に「外国人のための医療相談会」として群馬県で発足して以来、伊勢崎市、太田市、前橋市、高崎市において開催し、2013年で15年目、群馬県で通算20回目、栃木県では2010年に初めて開催し、2012年には群馬県と栃木県合わせて通算23回目を迎えました。

20121111日(日)栃木県済生会宇都宮病院・健診センターにおいて「第3回栃木県における医療相談会」が行われました。まずは医療相談会の名前から「外国人のための」という名称が消えました。理由は特定NPO法人(20134月から特定NPO法人北関東医療相談会「アミーゴス」)に移行するにあたって、「外国人のための医療相談会」と長く続いた名称がこのままで良いのか、という疑問が続いたからです。栃木県で実施するに当たり事前に話し合いが行われ、結果としてあらためて多くの意見が出され、討論し「外国人のための」と言う文字だけでは対応ができないということで消したのです。

 

DV被害の日本女性、格差社会に生きる人々、ホームレスの受け入れ、健康保険があるが低賃金におかれている人々、15年前に始めた時の「外国人以外はお断り」といった状況からみると、どこもかしこも大変な人々です。電話で話したベトナム難民として来たボートピープルの子供たちは、すでに成人して働いています。私と話した成人女性は、日本語とベトナム語を操り家族の通訳をしています。そして次の事を訴えました。学校を卒業してから正社員として働いていましたが、現在は非正規社員として雇用されています。彼女が言うには、正社員は日本人ばかりで健康診断はあるにはあると言います。非正規社員には会社での健康診断は会社経費がかさむため今はないというのです。勿論、社会保険に入り本人たちも健康保険がありますが給料は低く抑えられ、高くて受診できないと言うのです。町の健康診断は、休まないと受信できないもうしばらくしていないと訴えています。この事から非正規になれば日本人も、外国人も差があるわけではなく同じ条件となってからです。

 

言葉の問題では外国人の9割近くは、言語困難者ではないかという調査結果を済生会宇都宮病院で教わりました。言葉を話せることと言っていることを理解できたかは違うと言うのです。当団体は、以前から外国人には原語でお知らせをすることを努めているからです。その意味では日本人と外国人、保険が有る、無いにかかわらず受け入れていかなければならないからでした。

 

今回からの栃木県での医療相談会は、青年海外協力隊栃木県OB会の協力を得ました。これからは彼等なしでは、もう進まないかもしれないと予感されます。互いに会話は出来るが肝心なことは伝わらなかったからです。日本で生活する外国人も、共通語は日本語になろうとしています。夫ペルー人と妻フィリピン人の夫婦に会いましたが最初は日本語が共通語で橋渡しをしたと言います。それでも彼ら夫婦は日本語を読めない、書けない状況では医療の用語は伝わらない、青年海外協力隊のように海外の現地での生活、肌で感じてきた語感を持つ人々によって支えられていかなければならないとあらためて思うのです

 

医療相談会は健康診断という手段を通じて外国人労働者問題を考え格差社会と取り組んできました。健康という所から考えていかなければならないと思い、健康とはなにを意味するのかと考えてみました。健康は「明日を生き抜く力」だと思えるようになったのです。ご飯を食べるのと同じではないだろうか。人が明日、生きるために働けることこそ健康を意味することだろう。外国人であれば日本に来て、帰ると同時に明日から働けることを意味するのではないか。「健康格差社会」(近藤克典著)という本にどうもこれらしいと思う事が書いてありました。近藤克典さんのいう健康が「生き抜く力」という言葉に出会ったのです。近藤克典さんは、2極化された格差社会の招くものは「痛み」ではなく、「死」をも意味する健康被害だと言うのです。そのことを考えるにあたって医療相談会の歴史は、「死」を予感させる人々との関わりでもありました。年々そのような受診者が多くなり第3回済生会宇都宮病院のデータは6割の受診者の結果がD2Eであったことが雄弁に語るようです。

 

「栃木県における医療相談会」のこれまでの実施結果

「外国人のための医療相談会」は1997年に群馬県で発足して以来、開催地順に伊勢崎市、太田市、前橋市、高崎市において2012年までの15年間で通算20回開催しました。

栃木県(宇都宮市)では2010年に「栃木における医療相談会」が発足し、3年間で3回開催され、2012年までに群馬県と栃木県合わせで通算23回開催されました。

 

1回栃木県における医療相談会 

 

開催日:20101219日 

会場:慈啓会白沢病院 

検査内容: 胸部X線、血圧、血液検査、尿検査、問診、身長、体重、子宮頸がん(希望者)

参加者数:13カ国 52人 

結果:全体として大きな心配はなかった。

 

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2回栃木県における医療相談会 

 

開催日:20111120日 

会場:慈啓会白沢病院 

検査内容:  胸部X線、血圧、血液検査、尿検査、問診、身長、体重、子宮頸がん(希望者)

参加者数:8カ国 36人 

結果:主に生活習慣病が見つかった。

 

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3回栃木県における医療相談会

 

開催日:20121111日 

会場: 済生会宇都宮病院

参加者数:8カ国 58人 男性14人、女性44人、地域別では栃木県内 53(宇都宮市が中心)、群馬県5名、国籍は8か国(タイ、フィリピン、ペルー、ベトナム、バングラデッシュ、マダカスカル、ブラジル、日本)

平均年齢:40.9歳、男性37.5歳、女性41.02歳、地域別では栃木県53名及び群馬県5

結果:病歴45人、自覚症状254症状

検査内容:  胸部X線、血圧、血液検査、尿検査、問診、身長、体重、子宮頸がん(希望者)、心電図(今回初めて実施、希望者のみ)

病歴は45人、自覚症状は254症状を訴えていました。

スタッフ:ボランティア60名と済生会職員30人の合計100